やめとけ。
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 これ、「既に」な方へもオススメしたい練習方法というか、経験方法であり、持論の一つなので強制でもないです。

 失敗は経験すべきである

 私はMavicProを飛ばしてまだ一度もクラッシュはしていません。買ったのは昨年の12月。冬場は北陸の天気って基本ヤバめでなかなか飛ばす機会にあえず、なんとか初期不良時の返品交換期限ギリギリで動作確認的に飛ばし、以後春の気配がくるまでは頻繁にフライトとは行きませんでしたが、それでも現時点で10時間オーバーしてまして、一度もクラッシュしていません。
 理由は兎に角MavicProが当たり機体だったと言うことと、基本無茶しない飛行を行っているからだと思っています。失敗する要因が含まれているシチュエーションはなるべく避けているからとも言えますかね。
 では、MavicPro以外ではと言いますと、そりゃもうクラッシュしまくってますよ!
 基本わざとではないですが、レーシングドローンなんて今のところ頑張っても頑張ってもクラッシュ。JJRC H36でも人前で「こんな風に飛b…あっ、ミスったw」でクラッシュ。

 先日、DJIの某機体を、わざわざGPS切って屋内でゲート潜る訓練をされている光景を目にして、そのチャレンジ精神に感服すると同時に、なんという無謀なことをと呆れました。
 ドローンは精密機械であり、別に衝撃に耐えるようには作られていません。もしも1度たりともクラッシュして、そこで配線の断線、基板の半田亀裂でも起こそうものなら、以後不具合の連発です。レーシングドローンのように、やれESCが焼けたならESC交換だ、暴走しまくるならFC交換だがそこそこ容易に出来るものならまだしもですよ。
 幸いにもDJI製品には機体保険があってクラッシュやロストは(探し出す金額を?)保証して貰えるんでしょうけど(使った事が無いので詳細調べてないw)、修理出している間は当然代替え機があるわけでもないみたいですし、待ってる時間が勿体無い、ですよね?

 深い渓谷やトンネルなどのロケーションでは、突如GPSが切れる、キャッチできる信号数激減という現象によって暴走リスクが高まります。受信できるGPS信号数が不安定と予測される場所での飛行は、最初からGPS使わないで飛ばすほうが安全というかマシです。GPS拾って飛ぶ事を想定しているマシンを、あえてGPS切るということで既に安全ではない。そういうシチュエーションは基本避けるべきであり、カネでも貰えるなら頑張れば良いですし、己の自己満足のためにリスクを背負いたいなら100%に近い自信とともに挑むべきだと思います。

 で、空撮をする際、ゲートを潜るシチュエーションはそう滅多にないです。低速飛行でモニターちらちら+目視で、やばいと感じたらスティック緩めて止まってみたり…。行ったり来たりでトイクアかよと…。仮に屋外というかどこぞの渓谷なりトンネルなりでその飛ばし方で得られた映像って誰が観て褒めてくれるでしょうか。まー景色を堪能してもらう意味でのゆっくり移動は、もちろんありだと思います。
 MavicProであれ、Sparkであれ平素の空撮時は皆さん結構極振り操縦しているのではないでしょうか。その移動速度でもってのノンGPS飛行はきっと素晴らしい映像へといざなってくれるでしょうけど、訓練であれ本番であれ、ノークラッシュで行って帰ってこれるって自信がある方はまず居ないと思います。暴走して、クラッシュして、終了。10万円以上がその場で終了。

 ですので私は、DJIをいきなり買うよりまずはJJRC H36なり3千円程度で買えるドローンで飛行練習を積み重ね、徐々にステップアップして行けば良いと考えています。H36なら家の中でも狭い部屋でも飛ばせますし、まずはクラッシュを恐れず、それでいてクラッシュしないで飛ばし続けられる事を目標に、楽しく練習を積み重ねる事が大事と考えます。


 ある程度飛ばせるようになれば、自分がその時に空撮機が欲しいのか、レーサー機が欲しいのかが少し見えてきます。そこに至る前にクラッシュしまくって壊してたりもするでしょう(それでもお値段3千円です)。Spark壊しちゃったら…3千円では済まないですね。ましてや屋外で人ん家の壁なんかにぶつけてたり、姫路城にぶつけたり、新幹線の線路に落としたりしようものなら…。

 H36がそつなく飛ばせるようになったら、その時点で貴方はPhantomの高度維持もGPSも衝突回避もオフにした状態と同じシチュエーションでの訓練をこなした事になります。機体の大きさが全然違うって?ではPhantomと同じくらいの大きさのSyma X8でも試してみたら良いと思います。H36しか飛ばした経験が無いからと不安を持たれているかも知れませんが、普通に飛ばせますから。


 ここに至るまでにお幾ら万円使いますかねー。独学よりは、飛ばせる人にコーチしてもらったり、スクールに通うほうが良いのかもしれませんが、国交省も飛行訓練マニュアル出してくれてますし(無料)そこにあるメニューをこなせるようになれば、つまりは許可申請がとおして貰えるレベルのパイロットであると。ちなみに、訓練項目には「FPVのみでゲートを通過する」とか無いみたいです。
 H36、飛ばして壊して4台分くらい買ったとして1万円。次のステップとしてSyma X8買ったとしてさらに1万円。やっぱGPS安定飛行体感したいと、Hubsan X4買ったとして(これは高い!?)2.5万円。ここに到達するまでにドローン友の会でご近所さんや仲間を見つけられたら、多分プライスレスで一気にスキルアップです。


 勿論、この道中でクラッシュなどの失敗もする事でしょう。わざとする必要は一切ないですが、壊したとしてもまだなんとか立ち直れるレベルだと思います。その失敗を糧に「次はもう失敗しない!」と意気込めると思います。これがもしいきなりのInspireで、いきなりのクラッシュだったら…。「そんな馬鹿居るの!?」と呆れている方もおられるでしょうが、かつて居ましたのでw


 H36からスタートし、更にレーシングドローンへとシフトされるのも、私は「大いにあり」だと思っています。H36からTinyWhoop、ブラシモーターからブラシレスモーターなレーシングというステップアップ形式ですね。目視でもつまらなくはないのでしょうけど、私はTinyWhoopへとシフトした時点でFPV始めるべきと考えています。なーに、ぶつけたってそう安々とは壊れませんし、壊れたとしてもまだ数千円。破損箇所だけ交換するならもっと安いでしょうかね。

 そうそう、FPVレーシングが出来る人の空撮映像と出来ない人(空撮機のみ飛ばす人)との映像って違いますね。スキルの次元も違ってきます。PhantomのGPSを切ってゲートをくぐる訓練、FPVレーシングでは普通にやってる事になります。勿論クラッシュしないってわけではないんで、クラッシュせずにPhantomでゲート潜りつづけている方には尊敬します。クラッシュしない事にではなく、万が一クラッシュしても良いという覚悟を持ってらっしゃることに。意味のない無駄とも言える浪費に懸命になって、レーサーには当たり前であるスキルを自慢するKYっぷりに。Phantomで行うことに意義があるのかも知れません。その方は少なくともPhantomをGPS無しでも操縦できる事を証明しているのですから。

 「初めてのドローンSPARK飛ばしてみた!」という動画がかなり増えましたね!いずれ何らかのトラブルなりミスなりでぶっ壊す事を想像してしまうと、「はぁ…金持ちはいいなぁ…」みたいな妬み半分な感情と、「ドローンの練習はまずトイクアで」を持論としていた自分の尺度で考えた際の、なんたる無謀なというか、「おいおいそこまで常識知らずを世間に晒して大丈夫?」みたいな感情が入り混じった複雑な気持ちが湧いてしまいます。

 私の持論を人に押し付けて評価してどうすんの!?

 なんですけどね。はぁ…私も老いたんですねw

 たしかDJIの国内販売店の多くは、初心者向けの講習会を開催しているはずです。はい、田舎に住んでる私はまだ一度もそんなイベントに参加した事はありません(涙)なんか、穴水(航空学園?)ではあるらしいんで機会があれば講習うk…いや、無駄かな。もう初心者では無いみたいですし私。
 講習会ではクラッシュ体験なんてイベントはまずないです。当たり障りの無い飛行体験と、安全運用への啓蒙や、DJI製品の安全対策性能の紹介といったところでしょう。

 車の展示会で、その車が衝突安全ボディだからといって試乗でカマ掘らせてくれるかって、そりゃ無いでしょうw 講習会もスクールもそんなもんじゃないですかね。自動車に例えると、自動車は免許制度(基本的に誰もが乗れるものではないのを、国交省が特別に「いいよ」とする仕組み。ドローンは許可制度が導入され、免許は存在しないですが許可によって「いいよ」とする仕組み。)。免許を得るには自動車学校へ通い、道路交通法や車の仕組み、安全運転について学び、実際に運転し経験を積みスキル(縦列駐車や坂道発信など)を身に着け、国交省から「いいよ」の証、免許証をとることを目的としています。

 ドローンの学校も、その多くは自動車でいうところの自動車学校です。免許制では無いのに。いやまぁ許可を得るための技量や経験を稼ぐ意味では、無くてはならないものだとも思いますよ。

 で、また車の例えに戻りますけど、普通に運転するには、免許証ゲットで初心者マーク付きながらも公道を走ることが出来るようになりますが、自動車学校を卒業したからといって、榛名を時速100キロオーバーで駆け下りる事が出来るようになるかって、違いますよね。鈴鹿サーキットでドリフトしてコーナー回れるか、回れませんよね。
 でも、免許持って無くてもゲーセンで榛名を時速100キロオーバーで駆け下りる事がバーチャルで出来る時代になってます。そこに到達するまでに何回も何回も失敗し、お金もどんどこつぎ込むワケですが。100円単位で。

 ドローンで言い直せば、国交省から許可を得たとしても、ドローンの学校を卒業したからといって、それがFPVレーシングでゲートくぐれるようになったり、日本中から褒められる美しい空撮映像が撮れるようになるわけでは無いんです。ただ、ドローンの学校の自動車学校との違いは、一部国が認定して運営されているものもあるわけですが、別にドローンの学校が「私はFPVレーシングを皆さんにお教えしたい」とか「空撮のテクニックを教えます」という事を始めれば済むわけで。それを前面に押し出しているスクール、なかなか見つかりませんね。
 でもスクールに行かずとも、許可をもらわずとも、ドローンにはシミュレータが何種類もあります。

 DJIのドローンにもシミュレータ機能が搭載されています。それで訓練を重ねても良いかも知れません。あれ?じゃあDJI真っ先に買っても良いじゃん…w